“Move On” アルバム制作秘話、Taku編に引き続き、今回はベースの Susie へのインタビューをお届けします。
Susie 目線で現在進行形のFIXはどのように見えているのでしょうか。詳しく聞いてみました。

━━━ アルバム制作で、印象に残っているエピソードはありますか?
レコーディングの初日をよく覚えてる。
今まで生きてきて、一番つらい日だったから。どういえばいいのかな、もう大変で大変で。(笑)
メンバーはもちろん、マネージャーも、エンジニアの田村さんも「そんな風に見えなかった」って口をそろえて言うんだけど、ほんとつらかったんだよね。
どんな風につらかったのか? 大変だったのか? って聞かれても言葉にできない、っていうか、うーん。言葉にならない。
“Move On” がFIXの3枚目のアルバムになるんだけど、今回が一番「責任」みたいなのを感じてたんだよね。
じゃあ、1枚目、2枚目は感じてなかったのか?って言われると、もちろん感じてたんだけど。(笑)
あ、そうだ。今気づいたんだけど、何がって今回は、FIXにとっても、私にとっても「超チャレンジ!」っていう楽曲が多かったからかな。
アレンジの段階でいろいろなチャレンジがあったんだけど、録音当日も、まだ意欲的に何かやろうとしてたんだよ。
まさに、「Move on」だよね。録音中でさえ「進み続け」ちゃってるの。
十分に完成されたものを忠実に残そうとしました。じゃなくて、当日になっても、まだ精神的にも、楽曲的にもチャレンジしようとしていたんだよね。
とにかくやってやる!っていう気持ちがあったし、その反面、すべてを投げ捨てて逃げ出したかった。(笑)
━━━ 時間的にもかなりタイトな録音スケジュールでしたよね。
うん、そう。
あと、今回のセルフプロデュースだけど、役割としては辻ちゃんの役割が大きかった。
辻ちゃんは、ドラムを叩く以外にも、アコギを弾いたり、コーラスのアレンジをしたり、そのコーラスにも入ったり、っていうのをやりながら「外側からの視点」で、サウンドをまとめてくれた。
ほら、レコーディングって、やればやるほど迷宮入りしたりするじゃない?
そんな中、「これでOK」っていうラインをサウンドプロデューサー視点で決めてくれた。
辻ちゃんが居なかったら、レコーディング終わらなかったんじゃない?(笑)
それが本当に印象に残るエピソードだよね。
━━━ 現在の音楽シーンを、女性ベーシスト目線でどのように見ていますか?
これ、一番 私が語っちゃいけないやつー! 現在の音楽シーンとかって、私わかんないんだって。(笑)
でも、わかんないなりに感じるのは、日本でも男女混成バンドは増えましたよね。
辻氏いわく、女性は筋肉が柔らかいから、潜在的にリズムがいい人が多いらしいんです。
だから、どんどんその「女性ならではのリズムの良さ」っていうものを出していったらいいよね。
━━━ 続いてメンバーとの交流で生まれてるもの、化学反応について教えてください。
Takuとは、長いこと一緒にやっているので、なんとなく「どういうものだか」ってのはわかっているんで。
辻ちゃんのアレンジャー、プロデューサーとしての視点、そこから受ける影響はとても大きかったです。っていうか、今も引き続き、そうです。
例えば「スタジオに入る意味」っていうのを辻ちゃんに教えてもらって。
演奏を間違いなくちゃんと弾ける、とかいうのは当たり前で、それは個人でやることであって、3人でスタジオに入ってやることは「ミーティングだ」「どう3人で楽曲を創りあげるのか」の部分なんだ、と。
辻ちゃんが入ってからの化学反応は、とてもとても大きかったです。
そして、辻ちゃんは「Takuのことをよくわかろうとしてくれている理解者」で、Takuはすごくやりやすいんじゃないかな。
「自分のことを理解してくれる人」「自分のことをわかろうとしてくれる人」が居るのって、すごくないですか?心強いと思うんですよね。そんな人と一緒に音楽ができるなんて。
そういう2人と、一緒に音楽ができることは、私の誇りです。
まあ、私は、とにかく「がんばる」のみですが。(笑)
━━━ FIXファンへメッセージをお願いします。
いつも応援してくれるみなみなさま、ほんとありがとうございます。
私が「ロックバンド」をやりたい!と強く感じたのは、あるロックバンドのライブを観に行ったとき「もう、この先どうなったって構わない。明日からもがんばれる。辛いことがあっても大丈夫」って思えたから、なんですよね。
だから私も、お客さんにそう思ってもらえるようなロックバンドでありたいと思っています。
もうこれはね、永遠の課題であり、常に目指したいところです。
まだまだ、まだまだ「進み続ける」「進化する」それこそ「Move on」していきますので、よろしくね!お頼み申し上げるでシカシー!!です。

次回の”Move On” アルバム制作秘話、最終回は。お待ちかね、ドラム 辻伸介 へのインタビューをお送りします。
ドラマーとしてのみではなく、アレンジや音作りに大きく関わったという辻氏、果たしてどのようなお話が聞けるでしょうか。
お楽しみに!



